第1回公共貨幣オンラインセミナー「ソラミツカンボジア中銀システムとトレーサビリティ」
イベントの説明
デジタル人民元、リブラ、各国の中央銀行のブロックチェーン化の進展が気になっている現代ですが、中銀デジタル通貨(CBDC)についての非常にまとまった本が去年暮れに出ました。
実質のカンボジア中銀デジタル通貨「バコン」開発秘話です。
もちろん秘話ではなく、明確な現在の貨幣システムの運用的要求仕様、システム的要求仕様、そしてその設計、アーキテクトの骨子の解説全てがあります。
すなわち、貨幣システム運用者、開発者、研究者全てへの適切な明快な解説書です。
簡単にいえば誰でもこれで経済がわかる本なわけです。 ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨「バコン」を実現したスタートアップ
――日本発のブロックチェーンで世界を変える – 2020/12/18 宮沢 和正 (著)
日経BP: https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/P89100
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4822289109/
これはソラミツという設立4年足らずのスタートアップの開発物語でもあります。
中銀デジタル通貨についての期待はお金の流れの見える化です。
その実現が見えてきました。
中央銀行と銀行、リテール、家計がつながります。
このことによって各エージェント(個人、家計、企業、任意組織、国家、超国家など)のお金の流れが見える化でき、例えばGDPなどがコミュニケーション範囲で自動集計できることです。
そのことによってエージェント間のコミュニケーションは行いやすくなります。
もちろん、エージェントのプライバシー、機密情報のアクセスコントロールは重要です。
これも自由に設定できる仕掛けができました。
これにより、エージェント自身の権限で他エージェントに開示する情報をコントロールできます。もちろんルールがあるのでエージェント間での完全な対称性はまだ不可能でしょう。 またトレーサビリティも付与できます。買ったモノ・サービスがどの様な過程をへたものかも、計算量次第ですが、使ったお金がどの様に流れるかもチェックできる様になるかもしれません。
また、データポータビリゼーションが実現できますと、組織間でデータが移動でき特定のサービス組織にロックされない自由な市場の可能性が出てきます。 アクセスコントロール、トレーサビリティ、データポータビリゼーションがお金に関する全ての取引で実現できる設計、仕掛けができたと思って良いでしょう。
本セミナーは二部構成で
第一部は中銀デジタル通貨「バコン」本の以下のような典型的な課題について質問をまとめます。
●アカウントは、それぞれロール(役割)を持っており、ロールには複数のパーミッション (権限)が定義されており、パーミッションのない業務は実行できない
●パーミッションにより、アカウント毎のアクセス管理を設定できるようにする
アセットの生成やドメイン間のアセットの送受信などの際には適切なパーミッションが必要となる。
●ロールとパーミッションを適切に定義することにより、司法、立法、行政の三権分立のような中央集権を防ぎ適切な牽制が可能な組織体が作成可能
●これらのロールとパーミッションを普遍的なルールとして憲法のように遵守するために、ブロックチェーンのジェネシス・ブ ロック(一番最初に書き込まれるブロック)に書き込み、改竄不可とする
●日本初のデジタル地域通貨
- 「Byacco/白虎」誕生、自律的な経済圏の拡大
- 社内活動のエコシステム
●入出金と受発注情報が紐付いたデータを活用することにより、例えば、借りたいときに必要な資金を必要な金融機関で調達する「トランザクション・レンディング」と呼ばれる金融サービスが実現する。
●製造業や流通業などの場合、関連企業間での決済にデジタル通貨を活用することにより、商流EDI情報の統一化や資金繰りの改善、関連企業への融資などの効果が期待できる。
●売上明細データや電子領収書の情報を金融機関が与信判断に使うことも可能になる。電子領収書では印紙税も不要になり、領収書の作成・郵送・保管にかかるコストが削減される。
第二部は武宮誠氏より直接回答と解説を行います。
シンポジウム開催詳細
日 時: | 2021年5月10日(月) 19:00~21:00 |
会 場: | Zoomオンライン |
定 員: | 100名 |
主 催: | 一般社団法人 公共貨幣フォーラム |
タイムスケジュール
18:50 | 開場 |
19:00 | 挨拶 生島高裕 |
19:05 | 中銀デジタル通貨「バコン」への質問とトレーサビリティ考察 生島高裕(公共貨幣フォーラム理事) |
19:30 | 中銀デジタル通貨「バコン」の心 武宮誠(ソラミツ株式会社共同最高経営責任者、公共貨幣フォーラム理事) |
20:30 | 質疑 |
21:00 | 終了 |
中銀デジタル通貨「バコン」への質問とトレーサビリティ考察
講演者:生島高裕(公共貨幣フォーラム理事)
概要:上記、中銀デジタル通貨「バコン」本を元に以下の課題を検討します。
- プライバシー(アクセスコントロール)、トレーサビリティ、ポータビリゼーションの実装について
- システムの提供モデル(知財権利と利用料)
- CBDC(Central Bank Digital Currency)とは
- トークンとは(お金に紐付かない情報、SDGsへの展開)
- デジタル通貨の未来
プロフィール:数理先端技術研究所 代表取締役、日本オミックス医学会 理事
自然科学、AIをベースに、バイオ、経済、社会科学、人文科学の幅広い分野でイノベーションのあり方を考えて活動している。
中銀デジタル通貨「バコン」の心
講演者:武宮誠(ソラミツ株式会社共同最高経営責任者)
プロフィール: ソラミツ株式会社 共同最高経営責任者
国際電気通信基礎技術研究所の研究技術員、出身校: Cal Poly San Luis Obispo コンピューター科学、東京大学 情報学環に在学中
(参考資料)[当日までにアップします]
【ソラ議会】
https://www.notion.so/a2b3d251573b4e4db1aaae953d
【要約】ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨「バコン」を実現したスタートアップ
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2929875947337448&id=1868857156772671
【トレーサビリティによる運用の評価、リスク管理(経済倫理、情報倫理、AI倫理)についての状況】
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2957846547873721&id=1868857156772671
ソラミツカンボジア中銀システムを使いとどこまで取引がトレースできるかを議論したいです。
Hyperledger Iroha入門: ブロックチェーンの導入と運営管理 単行本 – 2020/2/12
https://www.amazon.co.jp/dp/4274224732YAC: BFT Consensus Algorithm for Blockchain
Hyperledger Iroha で採用されているコンセンサス・アルゴリズム Yet Another Consensus Algorithm(YAC)の論文(英語)です。
Fedor Muratov, Andrei Lebedev, Nikolai Iushkevich, Bulat Nasrulin, Makoto Takemiya
https://arxiv.org/pdf/1809.00554.pdf
Cornell University – arXiv.org
Proof of Authorityって何??
https://note.com/nogacchi/n/na3f668e298af
※ Proof of Authority と YAC は、厳密には、異なるコンセンサス・アルゴリズムと思いますが、思想的には、近いのではないかと思われるので、ここにリンクを載せておきます。
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